炭素鋼の特性を詳しく説明する前に、まず鋼の定義を明確にしておきましょう。
鋼は鉄をベースとした合金の一種です。純鉄は脆く錆びやすいため、工業用途には適していません。この問題を解決するために、マンガンやリンなどの元素とともに鉄に炭素が加えられ、合金材料が作られます。鋼という用語は、具体的には炭素含有量がおよそ {{0}}.02% から 2.14% の範囲の組成を指します。対照的に、鉄は炭素含有量が 0.008% 未満に分類されます。
鉄は炭素含有量が増えると硬くなりますが、同時に脆くなります。力を受けても変形しにくくなる一方で、突然の衝撃や許容範囲を超える力が加わると、壊れやすくなります。そのため、機械や構造物に使われる材料には、硬さと強度の両方が求められます。
鋼には、鉄の硬さと強度のバランスをとるのにちょうどよい量の炭素が含まれています。
前述のように、鋼にはマンガン、クロム、チタンなどさまざまな元素が添加されており、それぞれ特徴の異なる合金鋼や特殊鋼が作られています。錆びにくさや耐熱性など、特定の用途に応じて特殊鋼が開発されています。
さまざまな種類の鋼のうち、炭素鋼とは、合金鋼や特殊鋼に該当しない鋼を指します。言い換えれば、炭素鋼は、特殊な元素やプロセスが加えられていない、自然な状態の鋼です。炭素鋼は、鉄と炭素以外の元素の元素含有量が指定された値以下であることによって定義されます。たとえば、クロムは {{{0}}.3% 以下、チタンは 0.05% 以下に制限されています。
炭素鋼は炭素含有量に基づいて分類され、低炭素鋼、中炭素鋼、高炭素鋼の 3 つのカテゴリに分類されます。
低炭素鋼は、炭素含有量が {{0}}.02% から 0.25% の材料を指し、中炭素鋼は炭素含有量が 0.25% から 0.6% の材料を指し、高炭素鋼は炭素含有量が 0.6% から 2.14% の材料を指します。
